不登校の子ども達へ

別記事にて、前職の高校にて不登校の生徒の復学支援を行う部署に従事していたということを書きました( 発達障害児への片づけ支援にこめる思い - nagasaki-seiri-syunou ページ! (jimdofree.com))。

現在、放課後等デイサービスにて働いていますが、ここでも不登校の児童との関わりは続いています。

私は“不登校”の子ども達と多く接する機会をもっているようです。

 

そうなると気になるのが、長崎県内の不登校児童の数。

長崎県内の不登校児童の数に関して、長崎県教育委員会が報告をしていました。

(以下、引用・参考1679879937.pdf (pref.nagasaki.jp)長崎県教育委員会 R5.3報告)

最新データは、令和3年度のものであり、

・不登校の小学生は745人

・不登校の中学生は1648人

・不登校の高校生は391人

・不登校児の出現率は2.2%

とのことでした。

 

正直なところ、「えっ、この程度?ほんとに?」というのが感想です。

また、このデータでは母数が示されていないため、県の教育委員会のHPより参考にできそうなデータを拾ってみました(令和3年度長崎県学校別児童・生徒数等 | 長崎県 (pref.nagasaki.jp))

このデータも令和3年度のものですが、

・長崎県内の小学生の総数は、67,521人(不登校児出現率1.1%)(※2)

・長崎県内の中学生の総数は、32,371人(不登校児出現率5.0%)(※2)

・長崎県内の高校生の総数(※1)は、23,543人(不登校児出現率1.6%)(※2)

 

という結果でした。 

※1:県立の全日・定時・通信・作別支援校在籍者の総数

 

※2:不登校児出現率は、著者が算出

 

はっきりと「不登校」と認定したものだけをカウントしているはずですが、この数字から漏れている子ども達が多くいることは間違いないでしょう。

 また、調査結果の中で、不登校の原因に関して最も高い割合を占めていたのが「先生のこと」という項目でした。この項目を見ると、胸が痛みます。私自身、「指導があわない」ということで生徒を不登校にしてしまったことがあります。今また逢えるのであれば、しっかりと謝罪をしたいです(当然、当時も謝罪はしたのですが)。

 

さて、ここまでつらつらと不登校に関して述べてきましたが、ここで私のサービスと絡めていきます。

私が社会人になってから関わった不登校の子ども達には、「非行」の末に学校に来なくなったという子はほとんどいません。ほぼ全員が、学校で何らかの傷を受け、自室から出られず、様々な葛藤を抱えていました。彼らは、自室にこもり、家族との会話もままならず、日々自己否定を続けていました。気持ちが内向きになり、社会とのつながりが切れていくため、ますます外に出られないという悪循環に陥ります。中には、「外に出れば、自分を知っている人に出くわすかもしれない」と、万が一を恐れ動くことができなくなっている子もいました。

しかし、彼らは人との関わりを完全に断ちたいと思っているわけではないようで、担任として担当としての立場で訪問をすると、自室への入室を許してくれる子がほとんどでした。おそらく、「助けて」と心のどこかで願っているのだと思います。現在、教師でない私が彼らに何かできないか?と考えた時に、既存のサービスである「片づけパーソナルトレーニング(【片づけメニュー】パーソナルトレーニング - nagasaki-seiri-syunou ページ! (jimdofree.com))」を利用して貢献できないかと考えました。

 

自室にこもる子ども達の多くが

・他者との接触

・自己肯定感

に飢えていると仮定したとき、

①学校の先生のように「明日、学校で待ってるぞ」など、プレッシャーになるようなことは言わず、一緒に家の片づけをする。

②自分の行動が結果として、空間の美化に繋がる。(自己肯定感を上げる)

③定期的に訪問することで、関係性の構築ができる。(他者との接触を可能とする)

という好循環を生むことができるのではないかと考えてたのです。

 

なお、不登校の子たちへの支援の手は、私以外にも多々あります。

フリースクールの利用、相談支援事業所の利用など、福祉サービスを使うことも可能です。

しかし、どのサービスも多数を相手にしているため、手厚い個別支援は難しい。

これが一個人の“私”になら、可能です。

不登校が続く場合は、環境を変えるという名目で、転校や引っ越しをすることもあるでしょうが、生活環境を完全に変化させるのは家族にとって負担が大きいはずです。

そうであれば、小さな環境変化ということで、自宅の整理収納を徹底することで、環境を変えることはできるはずです。

その環境を、不登校に苦しむ本人と一緒に整えていく。

すると、小さな達成感が積み重ねることができる。

また、片づけの中で子ども達の話をたくさん聞いてあげることができる。

 

整理収納アドバイザーという一見不登校対応と関係がなさそうな立場でありながら、子どもの明るい未来のために私にもできることがあると考えています。

暗い自室で一人過ごす子ども達を1人でも救うことができるのであれば、本望です。